ロックの杜 第2回

ヴァン・ヘイレン

1978年、一本の衝撃がロック界を貫きました。彗星のごとく現れたカリフォルニア出身のバンド、ヴァン・ヘイレンです。彼らが鳴らした音楽は、それまでのハードロックが持っていた「重苦しさ」や「様式美」を軽やかに飛び越え、底抜けに明るいパーティー・ムードと、誰も耳にしたことのない驚愕のギター・サウンドを世界に提示しました。

ヴァン・ヘイレンを語る上で欠かせないのは、2020年に惜しまれつつこの世を去ったギタリスト、エドワード(エディ)・ヴァン・ヘイレンの存在です。彼が愛機「フランケンシュタイン」から叩き出す、歪んでいるのにクリアで温かみのある音色は、敬意を込めて「ブラウン・サウンド」と呼ばれました。

さらに、彼の代名詞となった「ライトハンド奏法(タッピング)」は、ギターという楽器の可能性を一夜にして拡張してしまいました。鍵盤楽器のように指で弦を叩くそのスタイルは、後に続く数えきれないほどのギタリストたちのバイブルとなり、80年代のギター・ヒーロー・ブームを決定づけたのです。

しかし、ヴァン・ヘイレンの真の凄みは、その超絶技巧をあくまで「キャッチーな楽曲」の一部として昇華させた点にあります。兄アレックス・ヴァン・ヘイレン(Ds)の叩き出すダイナミックなドラミングと、マイケル・アンソニー(Ba)による唯一無二のハイトーン・コーラス。これらが融合することで、彼らの音楽は単なるテクニックの誇示ではない、極上のポップ・ミュージックとしての輝きを放ちました。

ヴァン・ヘイレンを語る上で欠かせないのは、2020年に惜しまれつつこの世を去ったギタリスト、エドワード(エディ)・ヴァン・ヘイレンの存在です。彼が愛機「フランケンシュタイン」から叩き出す、歪んでいるのにクリアで温かみのある音色は、敬意を込めて「ブラウン・サウンド」と呼ばれました。

さらに、彼の代名詞となった「ライトハンド奏法(タッピング)」は、ギターという楽器の可能性を一夜にして拡張してしまいました。鍵盤楽器のように指で弦を叩くそのスタイルは、後に続く数えきれないほどのギタリストたちのバイブルとなり、80年代のギター・ヒーロー・ブームを決定づけたのです。

しかし、ヴァン・ヘイレンの真の凄みは、その超絶技巧をあくまで「キャッチーな楽曲」の一部として昇華させた点にあります。兄アレックス・ヴァン・ヘイレン(Ds)の叩き出すダイナミックなドラミングと、マイケル・アンソニー(Ba)による唯一無二のハイトーン・コーラス。これらが融合することで、彼らの音楽は単なるテクニックの誇示ではない、極上のポップ・ミュージックとしての輝きを放ちました。

バンドの歴史は、大きく二つの時代に分けられます。

第一期は、カリスマ的フロントマン、デイヴィッド・リー・ロスを擁した時代。華やかでユーモアに溢れ、アクロバティックなステージングで観客を魅了したこの時期は、まさに「アメリカン・ハードロックの体現」でした。

第二期は、1985年にサミー・ヘイガーが加入した「ヴァン・ヘイガー」時代。デイヴ時代の野性味に代わり、より洗練されたメロディと豊かな音楽性を獲得しました。サミーの圧倒的な歌唱力により、バンドはバラードからパワフルなアンセムまで、より幅広い層にアピールするスタジアム・ロックの王者へと進化を遂げたのです。

2024年末にアレックス・ヴァン・ヘイレンが回顧録『Brothers』を出版し、改めてその絆が注目されている2026年現在。彼らの楽曲を聴き返すと、そこにあるのは時代を超越した「純粋な高揚感」であることに気づかされます。

膨大なディスコグラフィの中から、彼らの歴史的転換点となった3枚を厳選しました。

—— ロック史を書き換えた衝撃のデビュー作 ——

ハードロックの歴史を「このアルバムの以前と以後」に分けたと言っても過言ではない、衝撃的な一枚です。冒頭の「Runnin’ with the Devil」から、エディの驚異的なソロ曲「Eruption(暗闇の爆撃)」への流れは、当時のリスナーに「これは本当にギターの音なのか?」という戦慄を与えました。

キンクスのカバー「You Really Got Me」の爆発力も含め、全編にわたって若き日のエネルギーが充満しており、今なお色褪せないマスターピースです。

—— シンセサイザーとギターの完璧な融合 ——

全米1位を記録した「Jump」を収録し、バンドが商業的絶頂を極めた作品。ギター・ヒーローとしての地位を確立していたエディが、大胆にシンセサイザーを導入したことで、ヘヴィメタルの枠を超えたポップ・アイコンとしての地位を確立しました。

エネルギッシュな「Panama」や、ドラムとギターのコンビネーションが光る「Hot for Teacher」など、デイヴ時代の華やかさが頂点に達した、80年代ロックの象徴とも言えるアルバムです。

—— サミー・ヘイガーとの新たな船出 ——

カリスマ的なヴォーカリストの交代という、バンド存続の危機をチャンスに変えた奇跡のアルバムです。サミーの加入により、メロディアスな側面が強調され、「Dreams」や「Why Can’t This Be Love」といった、よりエモーショナルで壮大な楽曲が生まれました。

エディのギター・プレイもより円熟味を増し、テクニックに加えて「楽曲の良さ」で勝負できるバンドへと進化したことを証明した、重要作です。

ヴァン・ヘイレンの音楽は、いつ聴いても私たちをポジティブなエネルギーで満たしてくれます。それは、リーダーのエディが常に「試行錯誤」を楽しみ、音楽に対する好奇心を持ち続けたからに他なりません。

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